
新疆ウイグル自治区の少数民族には一人っ子政策は適用されていないため、この新疆を旅していると、中国の他のエリアに比べて子供を目にする機会は格段に多い。
もっとも、非常に人口の少ない民族でもない限りは人口抑制政策の対象にはなっていて、例えば、ウイグル族については、基本的に都市部では2人まで、農村部では3人まで、という制約が設けられている。
カシュガルに限らず、農村や街中のバザールなどで多くの子供たちを見ていて、ひとつ思うことがある。それは、大人と子供の距離についてだ。その距離が非常に短く、大人が働く環境と、子供がいる環境が同じであったり、非常に近いところにあったりする、ということだ。
なぜそういうケースが多いのか、と考えてみると、それは親の仕事の影響によるところが大きい。親が会社などの組織で働いていれば、子供が親の仕事を手伝う、あるいは、職場と自宅が隣接している、といったことは考えにくい。ところが、バザールで小さな商店を営んでいたり、農家で穀物や果物を栽培していたり、郊外で羊の放牧に従事していたりすると、働く親のそばに子供がいる時間が長くなる。
ウイグル族を含め、多くの少数民族の人にとっては、大きな組織で働くことは現実的には考えにくい特別なことだ。少数民族によって経営されている会社組織が全くないわけではないけれど、大抵の場合、会社は漢民族資本である。そこで働くためには、当然、漢民族と同等に中国語が操れなくてはならない。
少数民族の人と中国語の習得について話をする時、この種のことはよく話題に上る。中国語はわかりますか、という私からの問いに、様々な答えが返ってきたけれど、その中にはよく「中国語が上手なウイグル族は、会社で働いてる人たちだよ」というものがあった。当然、裏を返せば、会社というところで働くのに、中国語という厚い壁が立ちはだかっていることになる。それが、少数民族で「会社組織で働く」人がごく一部に限られる大きな理由だろう。
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